
「上司から動画制作を任されたけれど、何をどう準備すればいいかわからない」。そんな悩みを抱えていませんか。動画制作の発注においては、事前にどれだけ情報を整理できるかでプロジェクトの成否が決まります。
資料なしで制作会社に相談すると「イメージと違う」「予算オーバー」といった失敗を招く恐れも。そこで本記事では、動画制作の依頼や企画資料に盛り込むべき8つの必須項目を徹底解説します。
社内稟議を通すためのポイントや制作会社に伝わる書き方のコツも網羅しているため、初めて動画制作を担当する方でも安心です。ぜひ最後までお読みください。
なぜ動画制作に「資料(企画書)」が重要なのか?
動画制作を外部に依頼する場合、まず「資料なんて必要なの?」と感じる方もいるかもしれません。しかし結論から言えば、事前の資料作成はプロジェクト成功の土台となります。なぜなら口頭だけの説明では情報の抜け漏れや認識のズレが生じやすく、後から「こんなはずではなかった」という事態を招くためです。
資料として要件を可視化することで、社内の関係者や決裁者との共通認識を固められます。同時に制作会社との打ち合わせでも効率的に情報を伝えられるでしょう。ここでは資料作成が重要な理由を2つの観点から詳しく解説します。
社内稟議をスムーズに通すため(目的・予算の明確化)
動画制作のプロジェクトを進めるうえで、避けて通れないのが社内稟議です。上司や経営層は「なぜ動画が必要なのか」「費用対効果は期待できるのか」といった点を厳しくチェックします。口頭での説明だけでは説得力に欠け、承認を得るまでに時間がかかることも少なくありません。
一方、目的や課題、予算、期待される効果を資料としてまとめておけば状況は変わります。決裁者は文書化された情報をもとに判断できるため、承認率が格段に上がるのです。また資料があることで、関係者間の認識違いも防げます。
例えば「新卒採用のための動画」と一口に言っても、説明会で流す会社紹介映像と求人サイトに掲載する短尺のPR動画では内容が大きく異なるでしょう。こうした前提条件を資料に明記しておくことで、後工程でのトラブルを未然に防止できます。
制作会社との「イメージのズレ」を防ぐため
動画制作における最も多い失敗パターンの一つが「完成した動画がイメージと違う」というケースです。この原因の多くは事前の情報共有不足にあります。発注側が「なんとなくこんな感じ」というぼんやりした要望を伝えただけでは、制作会社は正確な意図を汲み取れません。
制作会社の担当者がどれほど優秀であっても、クライアントの頭の中までは覗けないのです。そこで企画書やRFP(提案依頼書)を作成し、目的やターゲット、参考イメージなどを可視化することが求められます。
資料を通じて「誰に」「何を」「どう伝えたいか」を明確にすれば、制作会社からの提案精度も高まります。結果として修正回数が減り、納期短縮やコスト削減にもつながるでしょう。動画のクオリティを担保するために、資料作成は欠かせない工程といえます。
動画制作の資料に盛り込むべき8つの必須項目

ここからは、動画制作の依頼資料や企画書に盛り込むべき8つの必須項目を解説します。これらの項目をしっかり押さえておけば、制作会社への情報提供がスムーズになり、提案や見積もりの精度も向上するはずです。初めて動画制作を担当する方は、ぜひ一つずつ確認しながら資料を作成してみてください。
1. 制作の背景・目的(KGI/KPI)
動画制作の資料において最も重要な項目が、制作の背景と目的です。「なぜ今回動画を作る必要があるのか」を明確にすることで、制作の方向性が定まります。
背景としては、現在抱えている課題を具体的に記載しましょう。「Web広告のクリック率が低下している」「展示会でのリード獲得数が目標に届いていない」など、数値やデータを交えると説得力が増します。
目的については、認知拡大や購買促進、採用強化など大きな目標(KGI)を設定したうえで、達成度を測る指標(KPI)も併記するとよいでしょう。「動画公開後3ヶ月で問い合わせ数を20%増加させる」といった具体的な目標があれば、制作会社も成果を意識した企画を提案できます。
目的が曖昧なまま制作を進めると、完成した動画が「なんとなくきれいだけど効果が出ない」という結果になりかねません。この項目にはとことんこだわって記載することをおすすめします。
2. ターゲット(ペルソナ詳細)
次に重要なのが、動画を届けたいターゲットの設定です。「誰に観てもらう動画なのか」が不明確だと、メッセージがぼやけてしまいます。
ターゲットを設定する際は、性別や年代といった基本属性だけでは不十分でしょう。その人がどんな悩みを抱えているか、普段どのようなメディアで情報収集しているか、スマートフォンで視聴するのかPCで視聴するのかといった視聴環境まで具体的にイメージします。
例えばBtoBの商材であれば「従業員100名規模の製造業に勤める購買担当者(40代男性)」のように、会社規模や役職も含めて設定すると解像度が上がるでしょう。ペルソナが明確になればなるほど、動画の訴求軸やトーンが定まり、視聴者の心に響くコンテンツが生まれます。
3. 動画の活用場所・配信媒体
制作した動画をどこで使うかによって、最適な尺やアスペクト比、内容が大きく変わります。そのため活用場所や配信媒体は必ず資料に明記しましょう。
YouTubeに広告として配信するのか、自社ホームページのトップに掲載するのか、InstagramやTikTokなどSNSで拡散を狙うのかで求められる動画の仕様が異なります。例えばTikTokなら縦型動画が基本であり、冒頭数秒でユーザーの興味を引く構成が必要です。一方でホームページ掲載用であれば横型動画が主流となり、じっくり視聴してもらう想定で制作できます。
また展示会のブースで流す場合は音声なしでも伝わるようテロップを多用するなど、視聴シーンに合わせた工夫も検討すべきでしょう。配信媒体が複数ある場合は、それぞれのパターンを資料に列挙しておくと制作会社が対応しやすくなります。
4. 伝えたいメッセージ・強み
動画を通じて最も伝えたいメッセージや商品サービスの強みを整理することも欠かせません。いわゆるUSP(Unique Selling Proposition)を明確化する作業です。
「業界最安値」「創業100年の信頼」「特許技術を採用」など、他社と差別化できるポイントは何かを洗い出しましょう。そのうえで動画内で打ち出すキーメッセージを一つに絞ると効果的です。
あれもこれもと詰め込みたくなる気持ちはわかりますが、情報過多の動画は視聴者の記憶に残りません。「この動画を観た人に一言で何を覚えてほしいか」を考えると、自然とメッセージが絞られます。制作会社にも「ここだけは絶対に伝えてほしい」というポイントを明示しておきましょう。
5. 動画の種類・テイスト(参考動画URL)
動画の種類やテイストは言葉だけで説明するのが難しい領域です。「おしゃれな感じで」「インパクトのある映像で」と伝えても、人によってイメージは大きく異なります。
そこで有効なのが、参考動画のURLを添付する方法です。YouTubeやVimeoなどで「こんなテイストにしたい」という動画を探し、URLをリストアップしましょう。実写かアニメーションか、インタビュー形式かドラマ仕立てか、ナレーションの雰囲気など、複数の観点で参考動画を提示できると理想的です。
注意点として、参考動画はあくまで方向性を示すものであり、そのまま真似するわけではありません。「この動画のどこが良いと感じたか」をコメントとして添えておくと、制作会社との認識合わせがよりスムーズに進みます。
6. 予算感・納期(スケジュール)
予算と納期は、制作会社が企画内容を検討するうえで不可欠な情報となります。この2項目が不明確だと、提案や見積もりの精度が下がってしまうでしょう。
予算については、上限金額を明示するのがベストです。「50万円以内」「100万〜150万円程度」のように幅を持たせても構いません。予算が決まっていない場合でも「この金額感なら検討できる」という目安を伝えておくと、制作会社は現実的なプランを提示しやすくなります。
納期についても同様に、最終的な公開日や利用開始日を記載してください。「○月○日の展示会で使用予定」「○月上旬のキャンペーン開始に合わせたい」といった情報があれば、逆算してスケジュールを組み立てられます。動画制作には通常1〜2ヶ月程度かかるため、余裕を持った日程設定が肝心です。
7. キャスティング・撮影場所の要望
実写動画を制作する場合、出演者や撮影場所に関する要望も資料に記載しておきましょう。この項目は見落としがちですが、見積もり金額に大きく影響するポイントです。
出演者については、社員が登場するのかプロのモデルやタレントを起用するのかで費用が変わります。インフルエンサーを起用してSNSでの拡散を狙いたい場合は、その旨も明記してください。また男女比や年齢層、服装のイメージなども伝えておくと、キャスティングの方向性が定まりやすくなります。
撮影場所に関しては、自社のオフィスや工場で撮影するのか、スタジオを借りるのか、屋外ロケを行うのかを検討します。特定の場所で撮影したい場合は住所や写真を共有しておくとよいでしょう。撮影場所の確保や許可取得に時間がかかるケースもあるため、早めに要望を伝えることが大切です。
8. 納品形式・権利関係
最後に確認すべきなのが、納品形式と権利関係についてです。この部分をおろそかにすると、後からトラブルに発展する可能性があります。
納品形式とは、完成動画のファイル形式や解像度、アスペクト比などを指します。MP4やMOV、4K対応の有無など、配信先や利用シーンによって必要なスペックが異なるため、事前に確認しておきましょう。
権利関係は特に重要なポイントです。動画の使用期間(1年、3年、無期限など)や使用範囲(Webのみ、店頭モニターでも使用、テレビCMでも放映など)によって、出演者への出演料やBGMの使用料が変動します。二次利用の可能性がある場合は最初から伝えておかないと、後から追加費用が発生することも珍しくありません。
また成果物の著作権が発注側に帰属するのか、制作会社に残るのかも確認すべき事項です。契約書で明確にしておくことで、双方にとって安心できる取引が実現します。
プロが教える!制作会社に「伝わる」資料作成のコツ

必須項目を網羅しただけでは、まだ「良い資料」とは言い切れません。制作会社にしっかり意図が伝わり、質の高い提案を引き出すためには、書き方にも工夫が必要です。ここからは、動画制作のプロも実践している資料作成のコツを3つご紹介します。
専門用語を使わず「5W1H」で具体的に書く
資料を書く際に意識したいのが、誰が読んでも理解できる言葉を使うことです。業界特有の専門用語や社内だけで通じる略語は避け、シンプルな表現を心がけましょう。
おすすめのフレームワークが5W1Hです。「Why(なぜ作るのか)」「Who(誰に届けるのか)」「What(何を伝えるのか)」「When(いつ公開するのか)」「Where(どこで配信するのか)」「How(どのような手法で制作するのか)」を軸に情報を整理すると、自然と具体性が増します。
例えば「ブランディング動画を作りたい」という漠然とした依頼よりも、「新規顧客獲得のために自社の技術力をアピールする動画を作り、YouTubeで広告配信したい」と書いた方が格段にわかりやすいでしょう。具体的な記載があれば、制作会社からの質問も減り、打ち合わせの効率も上がります。
詰め込みすぎない(ワン動画・ワンメッセージ)
動画制作の資料を作成していると、あれもこれもと盛り込みたくなることがあります。しかし情報を詰め込みすぎた動画は、結局何も伝わらないという結果を招きがちです。
効果的な動画には「ワン動画・ワンメッセージ」という原則が当てはまります。一本の動画で伝えたいことは一つに絞り、他の情報は思い切って削ぎ落としましょう。
資料作成の段階で「この動画で伝えたいことベスト3」をリストアップし、そこから「絶対に外せない1つ」を決めるプロセスを踏むとよいでしょう。制作会社にもその優先順位を共有しておけば、編集段階で迷いが生じにくくなります。複数のメッセージを伝えたい場合は、動画を分けて制作する選択肢も検討してみてください。
解決したい「課題」を率直に伝える
資料を作成する際、つい「アニメーションで」「15秒で」「明るい雰囲気で」と手法を指定したくなるかもしれません。しかし実はこうした指定よりも、解決したい課題を率直に伝えた方が良い提案を引き出せます。
例えば「若年層の認知度が低いのでSNS向けの動画を作りたい」という課題ベースの依頼であれば、制作会社はその課題解決に最適な手法を自由に提案できるでしょう。手法を固定してしまうと、本当はもっと効果的なアプローチがあったとしても、それを提案しにくくなってしまいます。
もちろん「参考動画のようなテイストにしたい」という希望を伝えるのは問題ありません。ただし「なぜそのテイストが良いと思ったか」の理由も添えておくと、制作会社は本質的な要望を汲み取りやすくなります。課題をオープンに共有することで、プロならではの視点を活かした提案が期待できるのです。
良い資料は動画制作プロジェクトを成功に導く

本記事では、動画制作の依頼や企画資料の作り方について解説してきました。改めてポイントを振り返ってみましょう。
資料作成が重要な理由は、社内稟議をスムーズに通すためと、制作会社とのイメージのズレを防ぐためです。口頭だけの説明では認識の齟齬が生じやすく、後から「こんなはずではなかった」という事態を招きかねません。
動画制作の資料に盛り込むべき8つの必須項目として、制作の背景・目的、ターゲット、活用場所・配信媒体、伝えたいメッセージ、動画の種類・テイスト、予算感・納期、キャスティング・撮影場所、納品形式・権利関係を挙げました。これらを漏れなく記載することで、制作会社からの提案精度が格段に向上します。
また資料作成のコツとして、専門用語を避けて5W1Hで具体的に書くこと、情報を詰め込みすぎないこと、課題を率直に伝えることを紹介しました。手法ではなく課題をオープンにすることで、プロならではの良い提案を引き出せるでしょう。
こんな方は、まず一度ご相談ください
以下に当てはまる方は、資料が完成していなくても、ぜひアクエリアス・ムービーへご相談ください。
「動画を作りたいが、何から手をつければいいかわからない」という方は、ヒアリングを通じて要件整理からお手伝いできます。漠然としたイメージでも問題ありません。
「社内に動画制作の経験者がおらず、企画書の作り方に自信がない」という方も、プロの視点で一緒に構成を考えられます。初めての動画制作でも安心して進められるでしょう。
「モデルやタレントを起用したいが、キャスティングのやり方がわからない」という方には、モデル事務所運営のノウハウを活かした最適な人材提案が可能です。
「納期が迫っていて、とにかく早く動き出したい」という方も、スピード感を持って対応いたします。まずは状況をお聞かせください。
「複数の制作会社に相談したが、どこに頼むべきか決められない」という方は、セカンドオピニオンとしてご活用いただくことも歓迎します。
逆に、まだ相談しなくても大丈夫な方
一方で、以下のような方は焦って相談する必要はないかもしれません。
「社内でじっくり企画を練りたい」という段階であれば、本記事を参考に資料を作成してから相談しても遅くはありません。
「まだ上司への提案すら行っていない」という場合は、まず社内で動画制作の必要性を共有するところから始めましょう。本記事の内容が稟議資料作成のヒントになるはずです。
「予算も納期も全く決まっていない」という状況であれば、ある程度の目安を社内で固めてからの方がスムーズに進みます。
ただし「決まっていないけれど、どう決めればいいかわからない」という場合は話が別です。その段階でもご相談いただければ、予算感や納期の目安についてアドバイスできます。
アクエリアス・ムービーが選ばれる理由
アクエリアス・ムービーは、企画・撮影・編集・キャスティングまでをワンストップで提供しています。モデル事務所としての実績があるため、動画に最適なキャストを効率よくアサインできる点が大きな強みです。
「資料作成にかける時間を本来の業務に使いたい」という方にとって、頼れるパートナーとなるでしょう。ラフなメモ書きレベルからでも相談を受け付けているため、構えずにお問い合わせください。
動画制作のプロジェクトを成功させる鍵は、いかに最初の段階で要件を整理できるかにかかっています。一人で悩まず、まずはプロに相談してみることが成功への近道です。

