
「動画を作りたいけれど、どんな流れで進むのかイメージがつかめない」と感じている方は多いのではないでしょうか。動画制作は依頼前の準備から企画・撮影・編集・納品まで複数の工程を経て完成に至ります。全体像を事前に把握しておけば、制作会社とのやり取りもスムーズになり、想定外の追加費用の発生やスケジュールの遅延も防ぎやすくなるでしょう。
そこでこの記事では、初めて動画制作を依頼する方にもわかりやすいよう、各工程の手順やポイントを網羅的に解説していきます。
動画制作でまず押さえたい基本の流れとスケジュール
動画制作を検討する際にまず理解しておきたいのは、全体の流れと各工程にかかる期間の目安です。ここでは基本フローとスケジュール感を整理するほか、実写動画とアニメーション動画の違いについても触れていきます。
動画制作の基本フロー
動画制作の基本的な流れは、以下の7ステップに分かれるのが一般的です。
1. 依頼前の準備(目的・予算・納期の整理)
2. 制作会社への問い合わせ・ヒアリング
3. 企画・構成(シナリオ・絵コンテの作成)
4. 撮影または素材制作
5. 編集
6. MA(BGM・ナレーションなどの音入れ)
7. 試写・修正・納品
制作会社からの提案に対してフィードバックを繰り返しながら上記を進行。各ステップで確認・承認を丁寧に行うことが、完成度の高い動画制作につながります。
動画制作にかかる期間の目安
動画制作の期間は内容や規模によって大きく変動しますが、依頼から納品まで1〜3ヶ月程度が一般的な目安です。
ただしSNS向けの縦型ショート動画であれば、1〜3週間で完了するケースも存在し、一方でブランディング動画やTVCMなど大規模な案件では3ヶ月以上を要する場合もあるため、用途に応じた余裕あるスケジュール設計が求められます。
実写動画とアニメーション動画で流れはどう違う?
実写動画とアニメーション動画では、中盤の制作工程が異なります。実写の場合はキャスティングやロケハンといった撮影準備が必要となり、撮影後の大幅な修正が難しい点が特徴です。
一方でアニメーション動画は、撮影の代わりにイラスト制作の工程が入ります。実写に比べて修正の柔軟性が高く、撮影機材やロケーションの手配も不要なため、コストを抑えることも可能です。ただし企画からMAを経て試写・納品に至るまでの基本的な流れは、実写もアニメーションも共通しています。
【STEP1】制作会社への依頼前の準備

動画制作を外注する際、最初の工程は制作会社への相談ではありません。まずは事前準備から始まります。ここでは依頼前に必ず整理しておきたい4つの項目を確認していきましょう。
動画制作の目的・ゴールを明確にする
「何のために動画を作るのか」という目的の設定は、動画制作の重要項目です。認知拡大か、採用強化か、それとも商品の購入促進か。目的によって動画の方向性や演出は変わってきます。
目的が曖昧なまま依頼すると制作会社の提案もブレやすくなり、完成後に「イメージと違った」という事態を招きかねません。具体的な数値目標まで設定できていれば、動画の効果測定もしやすくなるでしょう。
ターゲット(ペルソナ)と配信媒体を決める
動画を届けたい相手を明確にすることも欠かせない準備の一つです。年代や職種、抱えている課題などを具体的に設定することで、シナリオや映像のトーンに一貫性が生まれます。
あわせて配信媒体も事前に決めておきましょう。自社サイトに掲載するのか、YouTubeやSNSで配信するのかなどによって最適な動画の尺やアスペクト比が異なるためです。
予算の上限と優先順位を整理する
動画制作の費用は動画の種類や尺、演出手法によって幅があり、1本あたり30万円〜200万円程度が目安です。予算を事前に決めておかないと、見積もりの比較が困難になるだけでなく、制作途中で追加費用が発生した際にトラブルの原因となることもあります。
限られた予算のなかで何を優先するか(映像のクオリティ・納期・演者の起用など)を整理しておくと、制作会社との打ち合わせもスムーズです。
納期を逆算してスケジュール感を持つ
「いつまでに動画が必要か」から逆算してスケジュールを組むことも、準備段階で欠かせません。社内の確認フローや契約手続きに時間がかかるケースもあり、制作期間だけでなく契約締結までの期間も見込んでおく必要があります。
余裕を持ったスケジュール設計は、修正対応の時間を確保するうえでも重要なポイントです。
【STEP2】制作会社への問い合わせ・ヒアリング
準備が整ったら、次は制作会社への問い合わせに進みます。この工程でのやり取りが、その後の企画提案や見積もりの精度を左右するため、伝えるべき情報をあらかじめ整理しておくことが大切です。
問い合わせ時に伝えるべき情報リスト
制作会社に問い合わせる際は、少なくとも以下の情報を整理して伝えましょう。具体的には動画制作の目的とターゲット、配信媒体、おおまかな予算感と希望納期の4点です。
加えて参考動画のURLを2〜3本共有しておくと、映像のテイストに関する認識のズレを防ぎやすくなります。会社紹介資料や商品説明資料などの関連資料もあわせて準備しておきましょう。
初回ヒアリングの流れと所要時間
初回のヒアリングは1時間〜1時間半程度で行われるのが一般的です。制作会社のプロデューサーやディレクターが担当し、目的の深掘りや映像の方向性についてすり合わせを行います。
ヒアリングはオンラインでの実施も増えてきました。対面・オンラインいずれの場合も、動画に関する意思決定ができる担当者が参加することを推奨します。
複数社に相見積もりを取る際のポイント
制作会社は2〜3社を比較検討するのがおすすめです。金額だけでなく、対応スピードやコミュニケーションの丁寧さ、過去の制作実績も判断基準に含めましょう。
同じ条件で見積もりを依頼すれば、各社の提案内容や費用構成の違いが明確になります。また見積もり時点で修正回数や追加費用の条件まで確認しておくと、後々のトラブルを防止できるはずです。
【STEP3】企画や構成など動画の骨格を決める工程

発注が決まると、いよいよ動画の企画・構成に入ります。この工程は動画の骨格を形成するフェーズであり、ここでの詰めの甘さが後工程での手戻りや追加費用にもつながるため、丁寧に進めていきましょう。
字コンテ(シナリオ)の作成と確認ポイント
字コンテとは、動画全体の流れをテキストベースで構成したシナリオです。各シーンで伝えるメッセージやナレーションの内容に加え、画面に表示する要素なども具体的に記載していきます。
確認の際に重要なのは、訴求したい内容が過不足なく盛り込まれているかどうかです。情報を詰め込みすぎると視聴者に伝わりにくくなるため、メッセージは1本あたり1〜3つに絞ることをおすすめします。
絵コンテ作成で完成イメージを共有する
字コンテの内容をもとに、映像の構図やカメラワーク、デザインの方向性を視覚的に示したものが絵コンテです。制作会社とクライアントの間で完成イメージを共有するための設計図ともいえるでしょう。
実写動画の場合は撮影後の大幅な修正が困難なため、絵コンテの段階で完成形が見えるレベルまで詰めておくことが欠かせません。解釈の余地をできるだけなくすことが、費用を抑えてトラブルを減らすコツです。
見積もり・契約締結時にチェックすべき項目
見積もりを受け取ったら、金額だけでなく修正回数の上限や納期、納品フォーマットなどを必ず確認してください。極端な例ですが、制作費が安くても修正1回ごとに高額な追加料金が発生する可能性もあります。
契約書には著作権の帰属先や二次利用の条件なども記載されているため、法務担当と連携して内容を精査するのが望ましいでしょう。
【STEP4-A】実写動画の撮影から編集・納品まで

ここからは実写動画に特化した制作フローを解説していきます。
キックオフミーティングで方向性を合意する
制作チームの編成が完了すると、キックオフミーティングが実施されるのが通例です。動画の目的や訴求ポイント、納品形態について関係者全員で認識のすり合わせを実施。あわせてプロデューサーやディレクターも同席し、具体的な制作の進め方を詰めていきます。
撮影準備の具体的な内容(キャスティング・ロケハン・香盤表)
撮影に入る前には複数の準備が必要です。出演者のキャスティングや撮影場所の下見(ロケハン)に加え、撮影当日のスケジュールを記した香盤表の作成なども行います。
キャスティングでは社員を起用する場合とプロの演者を手配する場合があり、映像のクオリティに大きく影響する部分です。自社でモデルやナレーターを手配できる制作会社であれば、キャスティングの手間と外注コストを同時に削減できる可能性がある点は覚えておくとよいでしょう。
撮影当日の進め方と発注者がやるべきこと
撮影当日は絵コンテに沿って各シーンを撮影していきます。限られた撮影時間を有効に使うためにも、香盤表に基づいた段取りを徹底しましょう。
発注者側は現場での映像チェックに加え、想定外の変更が発生した際の即時判断も求められるため、事前に社内で判断基準を共有しておくことが大切です。
動画編集・仮編集チェックの流れ
撮影が完了すると、編集工程に移ります。撮影素材をつなぎ合わせてテロップやロゴの挿入・色調補正などを行い、1本の映像として仕上げていく段階です。
多くの場合、まず仮編集の段階でクライアント確認が入ります。この時点で構成や演出の方向性に問題がないかを確認し、フィードバックを経て本編集へ進むのが一般的な流れです。
MA(BGM・ナレーション・効果音の音入れ)
編集が完了した映像に対してBGMやナレーション・効果音を加える工程をMA(マルチオーディオ)と呼びます。音は動画の印象を大きく左右する要素であるため、映像のトーンに合った音源を選ぶことが欠かせません。
ナレーターは複数の候補から選べるケースが多く、声質やテンポが映像のイメージと合致しているかを確認しましょう。近年はAI音声合成を活用してコストや納期を圧縮する方法も選択肢に入ってきています。
試写・修正・最終納品
MAまで完了した動画の最終チェックが試写です。映像の内容やテロップの誤字脱字、ナレーションのトーンなどを確認し、修正箇所があればフィードバックを行いましょう。修正完了後に最終承認が得られれば、指定のフォーマット(MP4やMOVなど)で納品となります。
【STEP4-B】アニメーション動画の制作フロー|素材制作から編集・納品まで
続いては実写ではなく、アニメーション動画の制作フローを見ていきます。撮影がない分スケジュールを短縮しやすい一方で、イラストのテイスト合わせには注意が必要です。
キックオフ~字コンテ作成の進め方
アニメーション動画もキックオフからスタートし、字コンテで構成を固めていく流れは変わりません。メッセージの絞り込みが重要であり、情報過多にならない構成を心がけましょう。字コンテの段階で方向性のすべてが決まるため、ここでしっかり合意形成しておくことが後工程の手戻りを防ぐポイントです。
イラストカット確認とテイスト合わせのコツ
アニメーション動画では、使用するイラストのテイストが映像全体の印象を決定づけます。オリジナルで描き起こす方法と素材サイトから購入する方法があるため、予算やブランドイメージに応じて選択しましょう。
テイスト合わせでは言葉だけのやり取りに頼らず、参考画像やサンプルイラストを共有するのが効果的です。自社サイトのデザインやブランドカラーとの整合性も忘れずにチェックしてください。
絵コンテ作成からアニメーション編集へ
イラストのテイストが確定したら、字コンテとイラストカットをもとに絵コンテを作成し、アニメーション編集に進みます。アニメーターがイラストに動きをつけ、シーンをつなぎ合わせて映像を構成する工程です。
なおアニメーション完成後に「キャラクターの表情を変えたい」といった修正を依頼しても、膨大な枚数のイラストを描き直す必要が生じます。イラスト確定前の段階で細部まで確認しておくことが重要です。
MA・ナレーション収録と試写・納品
実写動画と同じく、完成したアニメーションにBGMやナレーションを加えるMA工程を経て、試写・納品へと進みます。アニメーション動画の場合、先にナレーションを収録し、それに合わせてイラストの動きを調整するケースも存在します。最終チェックでは絵コンテとの整合性を確認し、問題がなければ納品完了です。
動画制作を成功させる7つのポイントと失敗しないための注意点

動画制作の流れを理解したうえで、さらに品質を高め失敗を防ぐために押さえておきたいポイントを紹介します。初めて動画を発注する方はもちろん、過去に制作で苦い経験をした方もぜひ参考にしてください。
伝えたいメッセージを絞る
1本の動画にあれもこれもと詰め込むと、結局何を伝えたいのかが視聴者に伝わりません。特に30秒以内の短尺動画ではメッセージを1つに絞り、60秒以上の動画でも過剰にならないようにとどめましょう。
参考動画を事前に共有して認識のズレを防ぐ
「かっこいい動画にしたい」「おしゃれな雰囲気で」といった抽象的な表現では、制作会社との認識にズレが生じやすくなります。YouTubeやSNSで見つけた参考動画のURLを2〜3本共有するだけで、イメージの擦り合わせは進みやすくなるはずです。
各工程の確認タイミングで必ずフィードバックする
動画制作では企画・絵コンテ・仮編集・MAなど各工程の節目にクライアント確認のタイミングが設けられています。「おまかせで大丈夫です」と確認を省略してしまうと、完成後に大幅な修正が発生するリスクが高まるため、毎回丁寧にフィードバックを行うことが大切です。
撮影後・素材制作後の大幅修正を避ける工夫
実写の場合は撮り直し、アニメーションの場合はイラストの全面描き直しとなるため、制作後半での大幅修正は追加費用の増大につながりかねません。企画段階で完成形をできる限り具体的にイメージし、絵コンテの承認までに方向性を固めきることを推奨します。
制作会社とのコミュニケーションを密にする
動画制作はフィードバックのやり取りが頻繁に発生するプロジェクトです。レスポンスの遅れはスケジュール全体に波及し、納期の遅延を招く原因にもなりかねません。担当者間の連絡手段や確認フローを事前に取り決めておくと、進行がスムーズになります。
納品後の活用・効果測定まで見据える
動画は作って終わりではなく、配信後の活用や効果測定まで含めて初めて投資対効果が見えてきます。再生回数やクリック率、コンバージョン数などの指標をあらかじめ設定しておき、PDCAを回していくことが成果を最大化するポイントです。
AI活用・リモート撮影など最新トレンドも把握しておく
近年の動画制作では、生成AIを活用した企画やナレーションの効率化が進んでいます。また、オンラインでの立ち会い撮影やストック素材を組み合わせた撮影なし制作など、コストやスケジュールを最適化する選択肢も広がってきました。制作会社に相談する際は、こうした最新の手法にも対応しているかを確認してみるとよいでしょう。
動画制作の流れを把握してスムーズな制作を実現しよう
動画制作の流れは、依頼前の準備から企画・撮影(または素材制作)・編集・MA・試写・納品へと進んでいきます。全体像を事前に理解しておくことで、制作会社とのコミュニケーションが円滑になり、不要な追加費用やスケジュールの遅延を防ぐことができるでしょう。特に各工程の確認タイミングで丁寧にフィードバックを行い、制作の後半での手戻りを最小限に抑えることが、動画制作を成功させる重要なポイントです。まずは目的とターゲットを明確にするところから始めてみてください。
こんな方は、まず一度ご相談ください
・初めて動画制作を外注するため、何から始めればよいかわからない方
・過去に動画制作を依頼して「思っていた仕上がりと違った」という経験がある方
・企画からキャスティング、撮影、編集まで一社完結で任せたい方
・モデルやナレーターの手配までまとめて依頼したい方
・費用を抑えつつクオリティの高い動画を制作したい方
株式会社アクエリアスは、企画・キャスティング・撮影・編集のすべてを自社で完結するワンストップ体制で動画制作を行っています。自社モデルの起用やカメラマンの内製化により中間マージンを排除し、高品質な動画を適正価格でご提供できる点が強みです。まずはお気軽にご相談ください。
逆に、まだ相談しなくても大丈夫な方
・動画制作の目的やターゲットがまだ社内で固まっていない方
・そもそも動画が最適な施策かどうか検討段階にある方
・まずは社内で参考動画を集めてイメージを固めたい方
こうした段階の方は、本記事を参考に目的やターゲットの整理を先に進めてみることをおすすめします。準備が整った段階でご連絡いただければ、よりスムーズに制作をスタートできます。

