株式会社オープンアップITエンジニア様は、東京都心を拠点にITエンジニアの派遣・受託、ソリューション提供を行うエンジニアリング企業。従業員6,048人(2025年1月時点)、資本金7,000万円、2024年6月期の売上高は277億29百万円。東証プライム上場のオープンアップグループの一員として、多様な産業のDXを支えています。
今回は、同社が掲げる理念をオリジナルドラマを通じて社員一人ひとりの“自分ごと”へと変換する映像企画・制作を担当させていただきました。

企業の理念は、言葉で掲げるだけでは浸透しない。だからこそ、私たちは理念を“体験”に変える物語をつくる——。株式会社オープンアップITエンジニア様のブランディングプロジェクトは、そんな仮説からスタートしました。社員の皆様への綿密な取材を重ね、現場のリアルな声を束ねて脚本化。
ところが本番1週間前、舞台設定を「現在」から「10年後の未来」へと大転換する決断が下されます。普通なら青ざめるニュースですが、私たちはこの変更をむしろ物語の推進力に変えました。世界観の再設計と台本の全面リライトを即日で着手し、未来のUIやインフラを想起させる演出をCGで追加。プロップのデザインや画作りのルックも“未来の質感”へと統一し、視覚的・情緒的に飛躍する一本に仕上げました。



制作の起点は、オープンアップITエンジニア様の理念に通じるキーワードの抽出です。現場のエンジニア、マネジメント、バックオフィスまで幅広くヒアリングを行い、「技術者が誇りを持てる社会」「挑戦を後押しする文化」「他者の成長にコミットする姿勢」といったコアを抽出。
ドラマの中では、ある若手エンジニアの“10年越しの挑戦”を主軸に、仲間との対話や意思決定の葛藤、テクノロジーが社会にもたらす変化を織り込みました。未来設定になったことで、単なる理想論ではなく「今の選択が10年後の景色をつくる」という実感を映像化することに注力しました。


タイトなスケジュールでも、演出と制作の両輪を一段上の精度で回すため、脚本・絵コンテ・香盤を再構築。CG制作も加わり、設計の最適化を即時に断行しました。結果として「あり得る未来」を描きながらも、骨太のヒューマンドラマが立ち上がりました。






試写会では、ストーリーの没入感と“理念の体温”が伝わる構成に対し、高い評価をいただきました。クライアントの皆様からは「社員一人ひとりが理念を自分ごととして捉えられる」「10年後を見据えた意思決定が自社のらしさで語られている」といった声が相次ぎ、社内外コミュニケーションにおける核となる一本としてご活用いただいています。制作を通じて、オープンアップITエンジニア様が掲げる理念の輪郭を、映像という共通言語に翻訳できたことを、制作チーム一同とても誇らしく感じています。


本件がスムーズに進行できた背景には、当社の制作体制があります。アクエリアスは、企画・撮影・編集・キャスティングから広告運用までをワンストップで担えるため、意思決定とアウトプットのギャップが小さく、クリエイティブの“熱”を落としません。役者を自社アサインできる体制により、世界観と演技トーンを企画初期から最適化し、キャスティングの精度でドラマの説得力を底上げします。


今回の作品は、「理念を体感に変える」ことに挑んだ一本でした。10年後へと舵を切った決断を創造の起爆剤に変え、CGと実写の均衡で未来のリアリティを描く。そこに、取材で拾った“日々の手触り”を丁寧に編み込むことで、理念は抽象から具体へ、そして他人事から自分事へと移行します。私たちは、こうした“変換装置としての映像”を、企業の成長と文化づくりのためにこれからも追求していきます。
